沖縄観光情報:伊是名島の伝統行事「公事清明祭(クージヌシーミー)」

伊是名島の伝統行事「公事清明祭(クージヌシーミー)」

post : 2014.04.11 12:00

清明祭(シーミー)とは、元々は18世紀頃に中国から伝わってきた習慣で、

太陰暦の清明の節に行われる先祖のお墓参りのことです。

毎年どこよりも先に「伊是名島(いぜなじま)では、『公事清明祭(クージヌシーミー)』を行わないと、

一般家庭の清明祭ができない」といわれる大事な伝統行事が、

例年4月初旬に伊是名村主催で行われています。


 

なぜ伊是名島なのかというと、伊是名島が

琉球国王・尚円王(しょうえんおう/第二尚氏王統の始祖)の生まれた島だからです。

伊是名島の象徴・伊是名城跡のふもとには、尚円王の父と母の墓として

建立されたといわれる伊是名玉陵(いぜなたまうどぅん)があり、

ここは第22代尚家当主・尚裕(しょうひろし)氏をはじめ、近代の王族も眠っているお墓でもあるのです。

その伊是名玉陵が『公事清明祭』の儀式が行われる場所になります。


 

清明祭の料理といえば、重箱(ごぼう、かまぼこ、三枚肉、

こんにゃく、魚の天ぷら、揚げ豆腐、昆布など)ですが、

伊是名玉陵に供えられるお供え物は独特です。

 

豚の頭・丸裸の鶏・生魚など、

一般の清明祭では、供えられていないような品々が

専用の台に盛りつけられて並びます。

どこに何が配置されるかは昔から変わりません。


 

また、それらの料理を盛りつけしている器類にもご注目ください。

尚家の紋章が入っている琉球漆器は、なんと本物なのです。

 

尚家・親族の銘苅家(めかるけ)が伊是名村に寄贈したものですが、

普段は博物館入りしている文化財が取り出され、

公事清明祭の本番で実際に使われ続けているというのは、とても稀なことですよね。

 

しかし年々痛みが激しくなってきたため、

今年から復元された漆器が一部使われています。


 

公事清明祭には、主催の伊是名村の村長や教育長のほか、

東京からは、尚裕氏の次女・野津恵子さんをはじめ尚家関係者が列席。

また村内の王族・四殿内(ゆとぅぬち)といわれる

銘苅家・伊礼家・名嘉家(玉城家は今年は欠席)から代表者が参拝し、

線香を焚き、全員で合掌して、王家ゆかりの先祖供養祭『公事清明祭』を

厳かに執り行いました。


 

この『公事清明祭』については、どなたでも静かに見学することが可能だそうです。

また、伊是名城趾と伊是名玉御殿、伊是名ふれあい博物館は、年中見学ができます。

琉球国王のふるさと・伊是名島へ、島旅はいかがでしょうか。


 

 

伊是名玉御殿(県指定文化財)

住所/沖縄県島尻郡伊是名村字伊是名1番地

 

伊是名ふれあい民俗館

住所/沖縄県島尻郡伊是名村字伊是名196-129

開館時間/9:00~17:00

休館日/月、祝日、年末年始

入場料/200円(小中学生100円/団体割引有)

電話/0980-45-2165

 

沖縄CLIPフォトライター 桑村ヒロシ

 

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Information

沖縄県島尻郡伊是名村字伊是名1番地