世界遺産として知られる琉球王家の別邸「識名園」
世界遺産として知られる琉球王家の別邸「識名園」
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あそぶ
初回投稿日:2014.06.11
最終更新日:2024.08.07
最終更新日:2024.08.07
識名園(しきなえん)は、2000年に
世界遺産に登録された琉球王家最大の別邸。
18世紀終わりに完成した(現在は復元)
池の周りを散策しながら景色を楽しむ
廻遊式(かいゆうしき)庭園で、王家の保養や、
冊封使(さっぽうし)と呼ばれる中国からの使者を
もてなす場として使われていました。
まず入園ゲートをくぐり抜けると深い緑が広がり、
外の喧騒とはかけ離れた静寂な世界に驚きます。
悠々と空に枝をのばし、
大地にしっかりと根をはるガジュマル並木。
小鳥のにぎやかなさえずりが聞こえ、
生い茂る葉のすき間から木漏れ日が差し込んで。
そこには時が止まったかのように
琉球王朝時代の風景が広がっていました。
入ってすぐ左側に見えるのが、
番人の詰所だった「番屋」です。
その後、道なりに進み、
今は使われていない正門を過ぎると美しい石畳道に。
左右にはアカギやガジュマル、
リュウキュウマツといった木が茂り、
樹林のトンネルが道の奥にまで広がって、
どこからかキジムナー(ガジュマルの古木に住むといわれる木の精霊)が
出てくるのではないかと思わせる光景です。
そして、ゆるやかな下りのカーブを過ぎ、
その先にいったい何があるんだろうと
期待に胸をふくらませた瞬間、
目の前に広がる景色が……
美しい緑に包まれた「廻遊式庭園」です。
池をぐるりと囲むように道が敷かれ、
散策しながら景色の移り変わりを楽しめるのが特徴。
池を上から見ると「心」という漢字を
崩したような形になっているので、
心字池(しんじいけ)と呼ばれています。
写真左手(↑)に見える赤瓦屋根の建物が
琉球王家の別邸である御殿(ウドゥン)。
15もの部屋があり、王家や冊封使のもてなしに
使われていた場所です。
中に入ることができるので、
王族や冊封使しか入れなかった一番座(↑写真上)や
台所(↑写真下)など、ひと通りまわると
当時の様子を垣間見ることができます。
池のほとりには、池の水源のひとつになっている
育徳泉(いくとくせん)があります。
琉球特有の「あいかた積み」で弧を描くように組まれた
石の優美な曲線が見もの。
池の中央からの眺めも楽しめるようにかけられた
大小ふたつの橋は、真ん中が高くなったアーチ橋。
琉球石灰岩で作られた中国風のデザインです。
こちらの六角堂も、中国風のつくり。
池に浮かぶ島につくられた六角形の東屋で、
屋根の形や、瓦の色が黒といったところに
異国の趣を感じます。
池を離れて坂をのぼるとたどりつくのが
勧耕台(かんこうだい)。
沖縄の南部一帯を臨める見晴らし台で、
あえて海が見えないようにしているのは、
中国からの使者に、
「琉球は海が見えないほど広い」と
知らしめるためだったといわれています。
勧耕台のすぐそばには、バナナ園が。
今ではひと握りの面積ですが、
かつてこの一画全体が
バナナでうめつくされていたそう。
番屋の裏にも果樹園があり、
シークワーサーやグアバなどが実をつけています。
ぐるり巡ると琉球ならではの植物や、
当時影響を受けたと思われる
中国の建築様式も見られる識名園。
華やかな首里城も見逃せませんが、
ここもまた琉球文化を知るうえでは外せない名所。
風情ある庭園の散策をしながら、
いにしえの王朝に
想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
識名園(しきなえん)
- 住所 /
- 沖縄県那覇市真地421‐7
- TEL /
- 098-855-5936
- 営業時間 /
- 4月~9月:9:00~18:00(入場締切 17:30)
10月~3月:9:00~17:30(入場締切 17:00)
- 定休日 /
- 水曜日(祝日または慰霊の日に当たる場合は翌日休)
- 料金 /
- 大人400円・小人(小学生~中学生)200円
- Webサイト /
- https://www.city.naha.okinawa.jp/kankou/bunkazai/shikinaen.html
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