陶芸家・中村かおりさん 後編
陶芸家・中村かおりさん 後編
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歴史文化
初回投稿日：2014.11.26
最終更新日：2024.09.02
最終更新日：2024.09.02
磁器に魅せられた背景を伝える「前編」に続き、
「後編」は思い入れのある器についての話です。
中村さんのチャーミングな素顔も見せてもらいました。
器づくりでコンセプトはありますか？
「学生時代からずっと『夢と現実をつなげるもの』
を作りたいと思っていました。ふとしたときに、
心に残る風景や匂い、温度を思い出すとか、
現実からちょっと離れて空想の旅に出るというか。
私の器でそんな時間が増えてくれたら嬉しいなと」
ほうっと気持ちがほどけるような
幸せを運ぶ器ですね。
「そうです」
これまで作ったなかで
いちばん思い入れのある器はありますか？
「この『緑の丘』のデザインですね」
「大学卒業後に1年間だけ
『Cotef（こてふ）』というアートカフェを
仲間と運営していたんですが、
カフェの名前は荘子の故事、
『胡蝶（こてふ）の夢』にちなんだものでした。
この器のモチーフは、私なりの胡蝶の夢の景色なんです」
中村さんの思い描く
「夢」が形になった器でしょうか？
「そうですね、意図せず作ったものなんですが
完成してから、これは胡蝶の夢を彫ったんだなと気づいて」
蝶がひらひらと星空を舞う感じ、
想像するだけで幸せな気持ちになります。
そういえばブランド名も「蝶」を意味していますよね。
「本当は『Cotef』にしたかったんですが、
そのままじゃと思って、
フランス語で小さな蝶を意味する
『petit papillon（プチパピヨン）』にしました」
フランス語にしたのは……
ご主人がフランス人だからですか？
「そうです（笑）」
素敵ですよね、ご主人（笑）
って話が脱線しましたが、「Cotef」に思い入れがあるんですね。
中村さんにとって原点となる時間や場所なんでしょうか。
「普段、あそこが原点だと
強く思うことはないんですけれど、
ふと思い返すと、きっとそうだなって。
夢と現実をつなげたいと思いを共にした仲間たちと
同じ時間を共有できたのは嬉しかったですね」
話は変わりますが、県内のあちこちの店で
中村さんの器をお見かけします。
それだけファンが増えていることだと思うんですが。
「沖縄は、親身になって応援してくれる方が多くて
本当に感謝しているんです」
店の方が応援してくれるんですか？
「距離が近いというか、
ほぼ車で行けちゃう場所に取扱店があるので
店の方と顔を合わせる機会が多いんです。
器のデザインについても、『こうしたら？』
『こういうのがほしい』ってアドバイスをくれて」
アドバイスを！
「言われると、やりたくなって
『作ってみました』って、すぐに持っていっちゃう（笑）
そんなやりとりから生まれたものもあります」
中村さんの雰囲気も親しみやすいんでしょうね。
素直な吸収力というか、好奇心に満ちていて、
アドバイスを楽しんでしまうところ。
皆さんが応援したくなる気持ちがわかる気がします。
「最近は、大学で陶芸を学んでよかったと
つくづく思うんです。器って持ちかえってからも
食卓に登場するし、お土産にも喜ばれる。
暮らしに密着してるなと思うから」
中村かおり×around the table by Indigoのコラボレーションカップ
読谷村にオープンしたばかりの「around the table by Indigo」では、
お店とのコラボで作った器でコーヒーが飲めるんですよね。
中村さんにしては珍しいインディゴ色のカップが素敵でした。
「そうなんです。初めての試み。
コーヒーが飲めるのは期間限定かもしれませんが
ぜひ器と空間を楽しんで下さいね」
ふわりとした雰囲気のなかに、しっかりとした芯があって
実は男前なところもある中村さん。
今後は磁器の質感をいかしたアクセサリー類も充実させたいそう。
これからの作品にも、ますます目が離せません。
磁器づくりの原点にふれる「前編」は こちら
◆中村かおり（petit papillon／プチ パピヨン）
○器を購入できる店
GARB DOMINGO
mofgmona
Yuna
茶太郎
yacchi&moon
海想
http://www.kaisou.com/index.html
青空
http://gajumarumiyako.ti-da.net/
FRAME WORK LIFE
https://framework-okinawa.com/
※こちらの情報は2014年11月25日現在のものです。最新の情報は直接お店にお問い合わせください。
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