沖縄の小さな島に佇む古民家カフェ「CALiN(カラン)」(屋我地島)

沖縄の小さな島に佇む古民家カフェ「CALiN(カラン)」(屋我地島)

Reading Material

食べる

初回投稿日:2021.04.27
 最終更新日:2024.08.29

最終更新日:2024.08.29

沖縄の小さな島に佇む古民家カフェ「CALiN(カラン)」(屋我地島) クリップする

琉球歴文化体験モニタープログラム


屋我地島(やがじしま)

沖縄県北部名護市に屋我地島(やがじしま)と呼ばれる人口およそ1,500人ほどの小さな島があります。周辺には羽地内海を望む今帰仁村(なきじんそん)や、屋我地島から伸びる古宇利(こうり)大橋の先にある、人気観光地スポットとして知られる古宇利島。屋我地島と今帰仁村を結ぶ「ワルミ大橋」から望む深い幻想的な海の美しさには定評があり、橋のふもとにある道の駅に車を止めて絶景を楽しむおすすめスポットとして人気です。


カフェ「CALiN(カラン)」

のどかな自然が溢れる小さな屋我地島に、古民家とコンクリートの建物を合わせたたユニークな建物。リノベーションした古民家カフェの名前は「CALiN(カラン)」。フランス語でハグ(抱きしめる)を意味するこの言葉から、人と人が触れあう温かな空間の優しいイメージが湧いてきます。


カフェ「CALiN(カラン)」

手入れの行き届いた庭と、可愛らしい多肉植物たちが賑やかに迎えてくれます。ピーコックブルーの落ち着いた外壁の中央にあるダークブラウンの向こう側には、どんな空間が広がっているのでしょうか? 扉をあけて中へ進んでみましょう。


カフェ「CALiN(カラン)」の店内

「沖縄の物件あるある」なのが「増築」。ライフスタイルに合わせてちょこちょこ増築したユニークな物件をよく目にします。まさにこのカフェも、瓦屋根の古民家とコンクリートの無機質な空間の不思議なユニット。入り口を入って左手は、キッチンとカウンター席、そしてオーナーが自らセレクトした雑貨コーナーがあります。


カフェ「CALiN(カラン)」の店内

オーナー自ら県内の窯元に出向いて仕入れた、沖縄の作家によるやちむんや琉球ガラスを始め、暮らしを豊かにしてくれる楽しい雑貨が並んでいます。


ドーナツ

レジカウンターに、ずらりと並ぶドーナツ。何を隠そう、こちらのカフェは、名護の人気店「しまドーナッツ」の姉妹店なのです。常に繁盛している、しまドーナッツはテイクアウト専門店。イートインコーナーも限られていて、お客様の入れ替わりが激しい人気店ならではの悩みを抱えていました。しまドーナッツを営むオーナー山本さんは、かねてより、ゆっくり時間を過ごせるカフェを作りたいと考えるようになりました。そして、物件を探しているところに出会ったのがこちらのユニークな建物。


カフェ「CALiN(カラン)」の店内

しまドーナッツの内装を手がけた大工職人の旦那様に物件の相談をしたところ、彼の創作意欲がむくむくと掻き立てられ、この物件に決めることに。作りつけのカウンターやチェアーは、お隣今帰仁村の職人さんによるもの。インテリア雑誌に出て来そうな、落ち着いた深い青緑色の壁とアンティーク調の家具が印象的。


カフェ「CALiN(カラン)」の店内

カフェコーナーは古民家を改装して、温かい落ち着きのある空間に仕上げています。座り心地の良いソファーは時間が経つのを忘れてしまいそう。


花飾り

CALiNでは、ときおり近所のお花屋さんと一緒にリース作りや花飾りのワークショップなどを開催しています。近所のママさんたちにとってカフェでおしゃべりしながらリース作りとは、なんて幸せなひとときなんでしょう。


サンドイッチ

カフェでいただけるメニューは、サンドイッチやタコライスなどの定番メニューから季節に合わせた食材を使用したカレーやハンバーグなどの限定メニューまで。やんばるで採れた野菜や肉、卵を使って地元の素材を楽しめる内容を、できるかぎり心がけています。こちらは定番の自家製とりハムを挟んだカンパーニュサンド。パンは名護にある「Pan de Kaito」のカンパーニュを使用しています。シャキシャキとした新鮮な生野菜と、しっとりとした手作りの柔らかい鶏ハムは、ちょっと小腹がすいたなどにオススメ。


紅芋のポタージュ

サンドイッチに+100円でつけられる本日のスープ。この日は沖縄の紅芋をふんだんに使った、ふくよかで優しい味わいのポタージュ。紅芋の風味を、しっかり楽しめる味に仕上がっています。


ドーナッツパフェ

デザートには、自家製アイスクリームとドーナッツのビスケットを添えた「ドーナッツパフェ」をどうぞ。こんがり薄く焼かれた輪切りのドーナッツに自家製バニラアイスが目を引きます。サクサクしたビスケットの歯ごたえと、優しい甘さのアイスクリームが口の中で楽しげにダンスします。お次はクリームの中にちょっぴりビターなコーヒーゼリーとダイスカットした島豆腐を使ったドーナッツ。しっとりクリームが染み込んだドーナッツと、コーヒーゼリーのほろ苦さのハーモニーに切り替わります。


カフェ「CALiN(カラン)」の店内

沖縄の島にはそれぞれ独特の時間の流れがあるように感じます。屋我地島に佇む1軒の古民家カフェは、切り取る場所で全く異なる空間を楽しむことができます。ヨーロッパや南米のカフェのワンシーンみたいな場所もあれば、子供の頃慣れ親しんでいたような温もりのある日本家屋特有の居心地の良さもあり。旅先で訪れた小さな島で、1人お気に入りの本を片手に時間の流れに身を任せるのもよし、普段忙しい生活で、なかなかゆっくり時間が取れない友人や恋人と訪れるもよし。日常からちょっとトリップできる不思議な空間で、思いのままの過ごし方を満喫してみてはいかでしょうか。

関連する記事

CALiN カフェ+ザッカ

住所 /
沖縄県名護市運天原522
TEL /
0980-52-8200
facebook /
https://www.facebook.com/calinamie/
Webサイト /
https://calin-okinawa.shopinfo.jp/

monobox(河野哲昌・こずえ)

同じカテゴリーの記事

琉球歴文化体験モニタープログラム