琉球の鬼のはなし(桑村ヒロシの島フォトコラム[第13回目])
琉球の鬼のはなし(桑村ヒロシの島フォトコラム[第13回目])
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歴史文化
初回投稿日:2016.01.30
最終更新日:2024.09.02
最終更新日:2024.09.02
もうすぐ2月。2月といえば節分の季節ですね。今回は、沖縄の鬼にまつわる話です。節分のあのフレーズ、「鬼は外」。といわれますが、“外”ではなく、実は“内”(身近)に在るみたい。え?どういうこと?ですよね。
沖縄の鬼にまつわる話は、ちょうど1年前にも少しお話させて頂きました(バックナンバー参照)。今から10年ほど前、「琉球(沖縄)のほんとうのことを知りたい。そして知ったことは皆と共有する」と心に誓い、それに呼応してくれるかのように、自分の中に降りてきたキーワードが、「鬼、鬼、鬼」…。同じ言葉が何度もリピートしてきたことがありました。
なぜ、沖縄の真実が鬼なのか、さっぱりわからず。そのときムーチーの日(旧暦12月8日)も近かったので、「鬼餅(ムーチー)のことなのかな?」ぐらいにしか思っていませんでした…。
じつは、僕のほかにも、同じキーワードが降りてきた人がいたそうです。世界の仮面を研究されている方が那覇空港に降り立ったとき、「鬼面、鬼面、鬼面…」というメッセージが降りてきたのだとか。
沖縄で鬼のような姿で舞う芸能はないか? そこで、フェーヌシマという民俗芸能のことかと思ったらしいのですが…。実際はそれではなかったらしく、ようやく辿り着いたところが意外や意外。
そこは、琉球を開闢したといわれる神様・アマミキヨのゆかりの地。アマミキヨが海から上陸したあと、最初に築いて安住されたグスク(城)といわれる場所です。その後、琉球王朝時代には国王も巡礼されていた重要な聖地のひとつでもあります
(バックナンバー参照)。現在は私有地のため詳細については避けますが、かつてこちらには代々、アマミキヨ神をかたどったといわれる神面が奉られていたそうです。
今から71年前の沖縄戦で焼失してしまった神面ですが、詳細なスケッチ画が大正時代に記録されていたのです。それがこちら。面の上部には、角が…。
アマミキヨの面を再現することになり、そのときに神面に魂込めの奉納舞いを行った琉球舞踊家の先生にお声を掛けていただきました。「なぜか判らないけれど、ふと、桑村さんが思い浮かんだ」とご連絡をいただき、写真で記録することになったのです。それは、最初に「鬼」というキーワードが降りてきて4年越しの出来事でした。
琉球の真実を知りたいと願い、辿り着いたのが、琉球の祖神アマミキヨをかたどった神面。それは鬼面でもありました。琉球の祖神が鬼神の姿であることにも深い意味がありそうです。魂の旅は、まだまだ続きます。
「新・シマとの対話」
公式ブログ:http://hiratadaiichi.ti-da.net/
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