ココロとカラダのひなたぼっこ《鍼灸サロン ひだまり堂》

ココロとカラダのひなたぼっこ《鍼灸サロン ひだまり堂》

Reading Material

歴史文化

放送日:2025.02.03 ~2025.02.07

初回投稿日:2025.02.12
 最終更新日:2025.02.12

最終更新日:2025.02.12

ココロとカラダのひなたぼっこ《鍼灸サロン ひだまり堂》 クリップする

琉球歴文化体験モニタープログラム

女性に寄り添う鍼灸サロン

鍼灸サロン ひだまり堂
南国の力強い植物に守られた「鍼灸サロン ひだまり堂」
 

浦添市港川、外国人住宅街の一角にある女性専用「鍼灸サロン ひだまり堂」は、院長の加納由美さんが利用者さんの体と心に寄り添う、ポカポカとした縁側のような場所です。

 

サロンのメニューは、鍼灸やマッサージ、ヒプノセラピー、ハーブサウナ、楽器や道具を使ったセラピーなど。この地で開業して15年。子どもから大人、妊活、産前・産後ケアなど、加納さんはたくさんの声を聞いてきました。

歴史上の人物から人間の生き様を学んだ子ども時代

院長の加納由美さん

院長の加納由美さん

 

埼玉県出身の加納さんは、本が大好きな子どもでした。

とても心に残っているのは、小学生時代に漫画で読んだ「キリスト」。

 

「イエスキリストが、神様に向かって、お許しくださいって。この者たち(自分を磔にしている人たち)は、自分が何をしているのかわからないのです。

 

このセリフを読んだ時に、死刑だって騒いでいる人たちも、本当にキリストを憎んで死刑にしたいわけじゃなくて、キリストをよく思わない人たちにコントロールされているんだ。

本当はそう思っていないのに、同調圧力によって人は人を殺すことができるんだ、とショックを受けたんですね。

 

人間はどうやったら正しく生きられるのだろう? 何のために生きるんだろう? ということが頭から離れなくなって。

もしかしたら偉業を成し遂げた人生に答えがあるのかもしれないと、無我夢中で偉人伝を読みました。

中学や高校の歴史の授業では、一人ひとりの偉人を詳しく取り上げることはなく、何が起きたかって話ばかりで時代が進んでいきました。

子どものころに偉人を通して学んだような哲学は、歴史の授業では学べないのか、とがっかりしたのを覚えています。

 

同調圧力じゃないけれど、書物って簡単に書き換えられてしまうから、実際のところ、何が本当かなんてわからないんだなと」

ひだまり堂お明るいリビング
訪れる人を優しく包み込むような明るいリビング

窓ガラスに映る木漏れ日

外と中を繋ぐ縁側の光のような存在にとの思いから、ひだまり堂と名付けました

腑に落ちた縄文時代の暮らし

「次に行き着いたのが考古学。実際に土を掘るから間違いはないはずって(笑)。

 

大学で縄文のゼミに入ったら、すぐに土器の発掘に遭遇して、ハマりました。

 

縄文時代って、未開の人たちっていうイメージを持っていたのですが、日本の温暖湿潤気候の恩恵、例えばどんぐりなどの木の実や山菜、果物、肉、魚など、その季節にいただけるものだけで続いた平和な時代でした。

 

何も所有しない暮らし方だったからこそ、1万年間も争わないで平和的に生きたすごい人たちだったことを知りました。

 

子どものころの疑問が、ストンと落ちたような気がしたのです。

 

 

稲作をするようになって、男性社会になり、いつの間にか所有の争いが起きていきます。縄文は母系社会だったから、分かち合うことができたんだと思います。

 

大学を卒業後は、専門機関に就職したのですが、縄文時代の人の気持ちや、大地からのいただきものを分かち合う生活を、現代人の私に本当に理解できるのか?

 

そんなことを考え始めたら、どうしても続けていけなくなって退職しました」

 

冷えた体をほぐしにいらした利用者さん

冷えた体をほぐしにいらした利用者さん。加納さんとの体話セッションで緩んだ体が、楽しかった記憶を呼び起こし、幸せの涙が溢れ出ました

 

ひだまり堂利用者の家族

妊活をきっかけに加納さんの体話セッションを受けるようになったご家族。今では6人家族になりました

 

子どもへのお灸は肌には触れずに、体を芯から温める

子どもへのお灸は肌には触れずに、体を芯から温めていきます

ハーブが第二ステージの舵を取る

これまで考古学ひと筋だった加納さん。退職後は、何もやる気が起きませんでしたが、通勤途中に見ていたハーブの風景を思い出します。

 

「当時は引きこもりがちだったんですが、ハーブにだけは心が動いたんです」と加納さん。

 

その後、ハーブ園に就職し、アロマセラピストの資格を習得しました。

 

しかし、西洋では医学として確立されているハーブですが、日本ではアロマセラピストは国家資格ではないため、妊婦や子どもにマッサージを施すことができません。

そこで、加納さんは、マッサージの国家資格、鍼灸あんまマッサージを取得するために学校に入ります。

同時期に、加納さんが師匠と仰ぐ先生と出会いました。

 

先生は、人間の心と体、感情がどのように繋がって、どのように作用するのか、東洋医学や中医学の考え方と、人間がいかに奥深い宇宙のような存在であるかという思想を教えてくれ、加納さんに大きな影響を与えます。

 

また、鍼灸の学校では産前産後のことを学ぶ機会がなく、加納さんは日本各地で開催する勉強会に積極的に参加します。

 

その後、助産師さんとの縁があり、知り合いの少なかった沖縄で、ひだまり堂を開業することになりました。

様々なハーブが育つ庭

琉球カラキ、ヨモギ、月桃など、裏庭にはさまざまなハーブが育っています

 
収穫したハーブはハーブサウナで用いたり、ハーブティにしたりします

収穫したハーブはハーブサウナで用いたり、ハーブティとしていただきます

 

ひだまり堂が開発した、体を温めるぬくだま

ひだまり堂が開発した、体を温めるぬくだま。沖縄の月桃と玄米、塩のみが入っています。「産後ケアには体を温めることが何より大事」と加納さん

女性に寄り添うひだまりのような場所でありたい

開業した当時は、女性専用の鍼灸サロンがなかったこともあり、多くの女性がひだまり堂を訪れました。

 

「体に触れると脈やツボの反応で、その方の心の状態が見えてくるんです」

 

体の不調や痛みの原因が、本当に望んでいる生き方からズレていることにあると加納さん。鍼灸と整体を合わせた体話セッションで、その方の心の本音に寄り添います。

 

「15年ほど前には妊活という言葉はなかったんですが、不妊で悩んでいる女性はたくさんいました。女性の多くは自分が頑張らないと、と自身を追い込みがちです。だけど、頑張りすぎると、子どもが生まれてからも一人で抱えて辛くなってしまうんです」

 

加納さんも二度の流産を経験し、子どもを望む女性や妊婦さん、産後の女性たちの心のケアの大切さを実感しています。

 

「今はみんなが忙しすぎるんですね。ふっと深呼吸するだけでも、少し心に余白ができます。余白があると、自分や赤ちゃんと感じ合うゆとりが生まれます。

 

ゆとりのある妊婦脳の状態になると、生きてるだけで幸せっていう、オキシトシンという幸せホルモンに満たされるんです。

 

この感覚を妊娠中に味わえると、産後も頑張りすぎない子育てができるようになるから、みなさんに体感してほしいなと思います。

 

体調不良や妊活中、産前産後のケアでは、何より自分自身の心を大事にしてほしいです」と加納さん。

 

ひだまり堂では、クリスタルボウルという楽器の音色を聞きながら、ストレッチや呼吸法、瞑想をする音浴会を開催したり、自宅でも簡単に、自分の心と体と向き合う時間が作れるようにという想いを込めて、沖縄のハーブ、月桃を使った体を温めるホットパットも開発したそうです。

 

ハーブの香りが心地よく香るひだまり堂で、あなたの心と体、気持ちの声を聞いてみませんか?

 

低く静かなお寺の鐘のような音色のクリスタルボウル。音の振動とともに、空気中に心地よい波動を感じます

低く静かなお寺の鐘のような音色のクリスタルボウル。音の振動とともに、空気中に心地よい波動を感じます

鍼灸サロン ひだまり堂

住所 /
沖縄県浦添市港川2-9-8 アリゾナストリートNO.57
営業時間 /
9時30分〜17時
定休日 /
不定休
E-Mail /
shop@hidamari.asia
Webサイト /
https://hidamari.asia/

沖縄CLIP編集部

TVアーカイブ配信中

放送日:2025.02.03 ~ 2025.02.07

  • 放送日:2025.02.03

  • 放送日:2025.02.04

  • 放送日:2025.02.05

  • 放送日:2025.02.06

  • 放送日:2025.02.07

同じカテゴリーの記事

琉球歴文化体験モニタープログラム