アンマーたちの底力《今帰仁の駅 そーれ》
アンマーたちの底力《今帰仁の駅 そーれ》
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歴史文化
放送日:2024.01.08 ~2024.01.12
初回投稿日:2024.01.25
最終更新日:2024.08.29
最終更新日:2024.08.29
沖縄を代表する道の駅として知られる「今帰仁の駅そーれ」。施設は直売所(野菜・園芸・加工品・弁当販売)と、食堂・加工施設(弁当・惣菜・菓子製造)に分かれ、開店から閉店まで毎日多くの人で賑わいます。
成り立ちは25年ほど前、近隣の呉我山や玉城などのみかん農家を中心とした村民からの「村で作った野菜や果樹の直売所がほしい」という要望を聞いた今帰仁村が、「建物は村が作ります。誰か運営をしませんか?」と広く公募。商工会や婦人会、JAの女性部、生活研究会などで議論を重ねた結果、村の生活改善グループに所属する12人のアンマーが「今帰仁のおいしい食材をみんなに知ってほしい、地元の農産物を使った加工品を販売したい」と名のりを上げました。
苦戦した商品集め
今でこそ、そーれは地域の人から頼りにされる情報発信基地となっていますが、スタートした当初は村内で認知されておらず、直売所なのに野菜を持ってくる人がいない状態が続きました。運営を任されたものの、給料制ではなく、自分たちの売上げだけがすべてという中で、アンマーたちは隣り近所の農家にコツコツと声をかけ、高齢の農家さんの畑には野菜を受け取りにいくのが日課になっていました。
今では、毎日野菜を納品する人、梅の季節だけ梅を届けてくれる人、花が咲いたからと年に一度だけ足を運んでくれる人など、登録農家は700名を超えました。最高齢の農家さんは、なんと98歳。大きなみかんを育てています。そーれに届いた野菜は店内で販売するだけでなく、アンマーたちが村内の給食センターへ運び、子どもたちの給食にもなっています。
沖縄の直売所は、冬に野菜が潤う
早朝からはじまる惣菜づくり
早朝6時から始まる仕込み
冬至だったこの日は100食のお弁当の注文が入っていた
そーれ名物のサーターアンダギー
加工所では、朝6時から惣菜やお弁当づくりが始まっています。ご飯を炊く人、揚げる人、食材の仕込みなど、それぞれの担当者が黙々と手を動かしています。そーれ名物の一つにサーターアンダギーがあります。この日は黒糖、ドラゴンフルーツ、紅芋の三種類。9時のオープンを待って店頭に並びます。
毎日の積み重ねがそーれを作る
濃厚なのに、あっさりすっきり。澄んだ出汁がおいしい沖縄そば
旬の島野菜をたっぷり使ったそーれ定食。出汁だけで炊き上げるジューシーは、味クーターなアンマーの味
そーれに毎日通う常連さんのお目当ては、沖縄そばやそーれ定食。どちらもアンマーたちが早朝から手間ひまかけて作るてぃーあんだー(手の脂)がたっぷり。旬の野菜を使ったそーれ定食は、サラダ、チャンプルー、煮物、メイン、ジューシー、味噌汁、漬物と、それぞれを担当するアンマーたちの思いが届く優しい味わいです。
早朝から息つく暇もない忙しいそーれの一日。この日、アンマーたちが腰を落ち着けたのは夕方の4時でした。そーれ代表の鈴木江美子さんが言います。
「うちのファンはね、毎日弁当を買いに来るのよ。でもね、ただ弁当を買いに来るだけじゃないの。ゆんたくがしたいのよね。久しぶりね~、元気ね~。そういう会話がとっても大切だと思うわけ。だから、みんなが足を運ぶきっかけになるように私たちはおいしいものを作るのよ。そーれの“そーれ”は、めんそーれ(いらっしゃいませ)、ゆくいみそーれ(休んでください)、うさがみそーれ(召し上がってください)。そーれは、みんなが集える場になればいいなと思う。私達が頑張れる限りはやろうねってみんなで話しているのよ」
誰よりもパワフル! そーれ代表の鈴木江美子さん
このゆんたくもアンマーたちの原動力。明日もまた6時から一日が始まる
今帰仁の駅 そーれ
- 住所 /
- 沖縄県国頭郡今帰仁村字玉城157
- TEL /
- 0980-56-4940
- 営業時間 /
- 9:00~17:00
- 定休日 /
- 月曜日
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放送日:2024.01.08 ~ 2024.01.12
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