制服のゆいまーるでみんなが幸せに《学生服リユース・リサイクルショップ
ゆいまぁる》

制服のゆいまーるでみんなが幸せに《学生服リユース・リサイクルショップ
ゆいまぁる》

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歴史文化

放送日:2025.03.10 ~2025.03.14

初回投稿日:2025.03.18
 最終更新日:2025.03.18

最終更新日:2025.03.18

制服のゆいまーるでみんなが幸せに《学生服リユース・リサイクルショップ
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しまんちゅ旅はじめました

浦添市宮城にある「学生服リユース・リサイクルショップ
ゆいまぁる」(以下ゆいまぁる)は、沖縄県内のほぼすべての中・高校の制服をリユースしているリサイクルショップ。

品揃えは常時20000着で、しかも定価の8割引きで販売している、家計に優しいお店です。

学生服リユース・リサイクルショップ
ゆいまぁる
税務署通りにある「学生服リユース・リサイクルショップ
ゆいまぁる」

社会の問題を人ごとにしない

このお店を立ち上げたのは、浦添市に暮らす與那城寿恵子さん。

もともと二人の子どもを育てる専業主婦だった與那城さんは、ある時、沖縄県外の主婦が始めた学生服のリサイクルショップを紹介するテレビ番組を見ました。

学生服を一式新調すると5万円ほどかかる時代です。

こういうお店は沖縄にこそ必要なのでは?と與那城さんは考えました。

「子育てにはお金がかかりますよね。さらに沖縄は所得が低く、シングルマザーが多いとも聞いていました。学生服をリユース販売する場所があったら、家計を抑えたい人たちに喜んでもらえるのでは? と思ったんです。

そこで、まずは小さなアパートを借りて、友人から譲ってもらった10着からスタートしました。最初はフリーマーケット感覚で始めましたが、利用者が増えて、必要としてくださる声が大きくなったため、本格的に事業として取り組むようになりました」と当時を振り返ります。

最初の1年は、お店を認知してもらうため、手書きのチラシをポスティングするなど、地道に努力を重ねました。無料のブログを開設してからは、それを見たお母さんたちの口コミや協力者も増え、今の店舗に移る時に開設したクラウドファンディングは見事達成。

内装などにも、與那城さんの思いに共感する多くの協力が集まりました。


店内に置かれた学生服

リユース商品を扱っているとは思えない清潔な店内。悪用を避けるためネット販売は行いません、初来店の購入時には、親子同伴が基本

子どもに着せるものだから見た目にもこだわりたい

中古とはいえ、子どもに着せるものなので、子どもが嫌がらないよう、状態の良いものを提供したいと與那城さんは考えています。

転校や卒業、サイズ変更などで不要になった制服を持ってきてくれる人も増えました。

寄付でいただく制服の中には、破れたり汚れたりしているものもありますが、できる限りお手入れをして店頭に並べています。

基本的には買取りですが、その額は微々たるもの。

「次に必要な学生に使ってもらえるなら」と多くの人が寄付してくれるそうです。

また、制服をきれいにクリーニングして「誰かのために使ってください」と寄付に訪れる人や、中にはゆいまぁるで制服を購入した子、卒業生自らが「寄付したい」と来店します。

就労支援施設との連携でよりクオリティの高いリユース

始めた当初は、制服のクリーニングと個人情報であるネーム外しは自分たちで行っていましたが、数が膨大になった今、二つの就労支援事業所の協力を得ています。この日は、ネーム外しをお願いしている首里の「NPO法人ふぃーるど・ぱわー」さんに、制服を持ち込みました。

ネーム外しは、根気のいる細やかな作業です。事業所の利用者さんたちにとっては、「やれば終わる」という達成感を得られる作業のようです。

「精神的なリハビリの一環としても良い影響を与えているとうかがっています。さらにクオリティも高く、スピード感もある。本当にありがたいです」と與那城さん。

制服の品質管理
「NPO法人ふぃーるど・ぱわー」では、商品の品質管理も徹底しています

ネーム外しの作業をする人の手
細かいネーム外しは、利用者さんたちにとってのやりがいにもつながっているようです

必要な家庭に制服が届きますように

スタートして今年で7年。県立高校の合格発表日は毎年大盛況で、約300人が店頭に並ぶほど。整理券を配る余裕もなく、2時間待ちになることもありますが、皆さん合格の喜びとともに制服を選ばれています。

お客さんの8割の家庭は新品の制服を1セット購入後、2着目や洗い替え用、サイズ変更などでゆいまぁるを利用します。

しかし、残りの2割は経済的に厳しい状況にある家庭がゆいまぁるを訪れます。

與那城さんのもとには、スクールカウンセラーや学校の先生から「親に放置されて制服を買ってもらえず、通学できない子がいる」という相談が寄せられることも。

また、進学先が決まったものの制服が買えず、進学を諦める子のために、支援を求められることもあるそうです。

作業をする女性
買取りにはあまり金額はつけられませんが、寄付してくれる人も多いそう

制服の状態が分かるタグ
制服の状態などがひと目でわかるタグつき

制服に付けられた値札
與那城さんは、制服をひと目見たら学校名をいえるそうです

お店のバックヤード
バックヤードでは、持ち込まれた制服を選定します。多少のほつれなどがあっても、制服はできるだけリユースさせたいと思っています

ゆいまぁるに寄せられた手紙
「ゆいまぁるがあって本当に助かった」というお手紙がたくさん寄せられます

目標は、ゆいまーるを継続させること

「制服を提供してくださるお客様があってこそ成り立つ仕事。制服のやりとりを通して、私自身もたくさんの喜びをいただいてきました。皆様に本当に感謝です。

経済的な理由などなく、みんなが平等に制服を手に入れられて、いつかこの仕事がなくなることが本当は良いのだろうと思いますが。

だけど、子どもたちが成長しても、毎年2割の家庭は存在します。その人達のためにも、ゆいまぁるを続けていきたいと思います」

学生服リユース・リサイクルショップ
ゆいまぁる


住所 /
浦添市宮城5-6-2 きたなはマンション105

TEL /
080-2790-4982
営業時間 /
平日10:00~19:00、土曜日13:00~19:00
定休日 /
木・日曜日(祝日はお問い合わせを)
駐車場 /
店舗道向かいのきたなはパーキング(居酒屋いずみ屋さん向かい)に無料専用駐車場あり(3台)

Webサイト /
https://yuimaruokinawa.com/

沖縄CLIP編集部

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  • 放送日:2025.03.10

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