海を眺め、風の音に耳を澄ます…自然に抱かれる宿「海坐」

Reading Material

泊まる

初回投稿日:2014.11.22
 最終更新日:2024.02.16

海を眺め、風の音に耳を澄ます…自然に抱かれる宿「海坐」

「主人とはひとり旅をしていた西表島で知り合ったんですよ。

意気投合して、働きながらそのまま島に住んでしまって」

 

そう笑うのは、本島南部で

1日4組の宿、「海坐(かいざ)」を営む中野里美さん。


海坐(かいざ)

 

20代の頃に沖縄に魅せられて

住みながらその魅力を心と体に焼きつけた1年間。

その後、二人で本土に戻って結婚。

子どもたちが独立したのち、

第二の人生はやっぱりあの沖縄でと

設計からインテリアにまでこだわった宿をオープンさせました。

 

4年もかかってやっと巡り合えたという場所は

高台から海を眺め、後方に緑が広がるのどかなところ。

 

「土地を探していた頃はまだ本土に住んでいたから

毎年、沖縄に来ては北から南まで探し歩いて。

そんななかで『ニライカナイ橋』を渡った時に

宿を建てるならこのあたりがいいと思ったんです」と中野さん。


 

「海坐」とは、海の上に座るように

ゆったりとくつろいでほしいと願い、つけられた名前。


 

ダイニングスペースには、

向こう側の景色がまるで一枚の絵に見える

大きな窓がしつらえてあります。

 

潮の満ち引きと太陽の動きで刻一刻と変わる景色。

鳥の声が響き、耳を澄ませば潮騒が聞こえてきて

蝶がひらひら舞う様子にも顔がほころんでしまう。

 

この場にいるだけで、

ゆるゆるほどけていくのを感じます。


 

ダイニングにある器やタペストリーは

沖縄で活躍する作家さんのもの。


 

客室には、テレビも冷蔵庫もありません。

たいてい何でもそろっている暮らしのなかで

あえて差し引くことで

目に映る景色や聞こえる音がある。


 

五感をすまし、自然に身をゆだねながらくつろげる。

それが海坐で過ごせる時間です。


 

木の葉が風にこすれる音をBGMに

ハンモックで読書するも、うたた寝するもよし。


 

宿の裏側には濃い緑に包まれた散歩道があり、

かさりかさりと落ち葉を踏みしめてのぼれば

がじゅまるの木の上にツリーハウスが見えてきます。


 

そこから眺める海もまた絶景。


 

近くの新原ビーチまでは徒歩15分。

夏は海遊び、秋から冬にかけては

のんびりと砂浜を散歩してもいい。

ここは日常の喧騒から離れて、大自然に抱かれる場所。

いちど訪れたら忘れられない宿です。

 

 

**さいごに**

帰り際、すれ違いでその日いちばんのお客様が来ていました。

男性ひとり。「また来ました!」と言わんばかりに

嬉しそうにやって来た気配が伝わってきて……

リピーターさんかなと勝手に思いつつ、

その様子からも、愛されている宿だなと感じました*

海坐(かいざ)

住所 /
沖縄県南城市玉城字玉城56‐1
TEL /
098‐949‐7755
Webサイト /
https://www.kaiza-okinawa.com/

沖縄CLIP編集部

同じカテゴリーの記事